自宅に無線LANプリントサーバMini-102MGの箱が転がっていたので設定を行った。
レーザープリンタとインクジェット型のプリンタを複数台のPCにて共有したい希望があり、近くの電気店にてPlanexのMini-102MGが安売りされるので買った、という流れだった。
レーザープリンタの接続方法はパラレルポートであり、既に別のプリントサーバが接続されている。
このプリントサーバは好評である。プリンタ類はPCを利用する部屋とは別の部屋に設置されており、プリントサーバ導入前はその部屋でPCを起動してデータをUSBメモリ(もしくはDVD-RAM、ネットワーク経由)で持ち込み印刷を行う、もしくはその部屋で作業を行うという利用方法が主であった。
この不便を解消するためプリントサーバを導入し、プリンタの電源を入れるだけで印刷を行えるように改善を行った。WindowsはLPR方式(ネットワーク経由で印刷データを送る手法)に対応しており、プリンタのドライバを導入しポートをLPR(TCP/IPスタンダードポート)に設定するだけで印刷可能になる手軽さがある。当初はネットワーク印刷に否定的だった利用者側も、通常と変わらず印刷できることに考えを改めていった。
インクジェット型プリンタもプリントサーバを用いることにしようという話になったが接続方法はUSBである。USBでもプリントサーバを行えるらしいことは製品リストから分かっていたが具体的な仕組みが良く分かっていなかった。そこでMini-102MGというUSB対応型プリントサーバが特売になっているというので導入することになった。
実際の導入作業について
プリントサーバには電源コネクタ端子、Ethernet端子、無線LANアンテナが搭載されている。この筐体自身はMiniという型番どおり小さいので驚いた。
まずPCとプリントサーバをEthernetケーブルで接続し、PC側のIPアドレスを192.168.1.xに設定する作業から始まる。その後、付属のCDのプログラムよりドライバのインストールとプリントサーバの設定(プリントサーバのIP・無線LANセキュリティ)を行う。Webインターフェースからの無線LAN設定は簡単だった。
最後にPCからの印刷キューをプリントサーバに向けるための設定だが、この設定には2通りの手法があることが分かった。1つはPlanexの提供するプログラムを利用する方式、もう1つはLPRプロトコルを利用する方式である。
前者の常駐アプリケーションを用いる手法については後者に比べて疑問があったが、よく調べてみると双方向通信を行うために必要らしい。プリンタにおける双方向通信とは例えばインクの残量を表示したり、複合機であればスキャナーによって入力した画像データなどを取得したりがある。
常駐アプリケーション起動後にそのアプリケーションから接続したいプリンタを選択することで紐付けを行う。Windows側のそのプリンタのポートの設定はUSBのままでいい。予想では、USBポートの入出力をアプリケーション(もしくはドライバ側?)が代わりに受けて、プリントサーバ側に送っているのではないかと考えている(この時点では未だWiresharkなどを用いてパケットフローは確認していない)。
今回の対象機は複合機ではなく、かつ利用者と話をしても今までどおりの単方向通信が出来れば良いとのことだったので、LPRプロトコルによる印刷方法の設定も行った。
考察
プリントサーバの設定を行うにあたってPCとプリントサーバを接続するまではいいが、PCのIPアドレスを設定させる作業については必要ないのではないか、と考えた。ローカルネットワーク内にプリントサーバが存在すると仮定して、ブロードキャストメッセージによってサービスを発見する手法をBaffaloの無線LANイーサネットコンバータ等では行っていたような気がする。
常駐アプリケーションによる設定も上手く行える仕組みが欲しかった。印刷する直前に常駐アプリからプリントサーバに接続を行わなければならないのは面倒だ。自動で数秒に1回ポーリングしてくれるような仕組みがあれば良かったかもしれない。
ちまたでは、対応製品表にプリンタの名前がないということで、購入するかどうか迷う場合が多いようだ(今回接続したCanon iP8600も対応製品表に名前はなかった)。これについて少し考えてみたが、本製品が印刷関係のUSBプロトコルをトンネリングしているのであれば、USBプリンタで双方向で印刷できない機種は存在しないのではなかろうか。製品の対応表を見ても、非対応の製品は1つもない。
むしろ少し改変すればUSBスピーカやUSBキーボードも接続できそうな予感すら漂う。
なかなか面白い製品で堪能できた休日だった。