ツールバーのビジネスモデル

「googleツールバーのビジネスモデル」「yahooツールバーのビジネスモデル」と、googleやyahooでキーワード検索を行ってみたが、面白い結果は出てこなかった。

彼らのツールバーを配布するビジネスについては過去に取り上げたことがあった。それ以上に、”なぜ、彼らがツールバーを配布して欲しいのか?”について考えたことがあるだろうか?

我々にとってのツールバーのイメージとは、検索を行うための便利なツールであり、企業としては検索エンジンの利用率を少しでも向上するために提供しているものであるという認識がある。

それと同時にアクセス解析の要素もあることを忘れてはならない。例えば、googleツールバーのインストールによって、GooglePageRankを見ることができる(そのPageRankの内容は数ヶ月前のものだ、とか最近は噂が流れているが…)。このPageRankは10段階のものであり、大きい小さいは分かるが、お遊び程度のものでしかない。

もし、このPageRankの顧客への通達に本気を出すとすれば、過去から現在までのPageRankの推移やGoogle Analyticsとの連携などを提供してもいいはずだ。PageRankのための特別なサイトを用意してもいい。ツールバーである必然性はない。

しかしながら、このPageRankをユーザが得るためには、”ページを開くたびにGoogleにPageRankのリクエストを行う”必要がある。逆にgoogle側の立場とすれば、ユーザが新しいページを開くたびに、私たちに通知してくれているのだ!ということになる。

この手と同じことを堂々とサービスしているのはalexaだ。alexaはJapanese – Alexa Top 100 Sitesのように、日本においてのトラヒックのトップ100を導出することができる。この仕組みはISPと手を結んでいるからではなく、alexaツールバーの利用者が見ているWebページのURLをalexaに報告するように出来ているからだ。

実はIE5.0までの時代までは”デフォルト”でalexaのシステムがIEに組み込んであり、alexaは誰よりも正しい統計を持っていた、という話もあるらしい。少なくとも、この統計情報はかなりの精度であり、マーケティングに有効に利用できることから、価値を持つことが分かる。

だとすれば、1つのツールバーのインストールに対して報酬として数百円を払ってもおかしくない。さらに、ユーザが進んでツールバーをインストールしてくれ、ページランクにこだわるようであれば、その費用は限りなく小さい。ツールバーのダウンロード数が数万を超えた時点で、かなりの価値の情報がgoogleに蓄積され始めているはずだ。

googleは基本的にページの内容によって表示ランキングなどを決めているが、googleツールバーの内容を利用していても、おかしくはない。

以上の結果から、ツールバーによるビジネスモデルを存在させるとすれば、「主要なブラウザにツールバーを提供する」「ツールバーが新しいサイトにアクセスするたびに、情報を取得しにいかなければならないようなネタを提供する」ことがコアになる。この情報を取得するためのネタについては、例えば、履歴共有のような簡単なものでも良い。主要なブラウザにツールバーを提供するための開発は容易ではない。

この手の情報共有、例えばWeaveなどが利用しないとも限らないが、彼らは暗号化について熱心に考えているので、少し安心できる。

タダほど安いものはないとはよく言うが、その実はかなりのものを提供してしまっている。その裏側と表側の示していることが実に面白い。

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