マジコンでオリジナルのゲームを販売する権利は縛れるのか

NDSで初の○○ゲームという話の結末は痛いニュース(ノ∀`):DSの同人エロゲが発売中止に→制作者、任天堂に逆ギレという結果に終わったようだ。

その結末に任天堂は関係ないものであることが、以下の情報から推測される。

  • 販売主は、個人ではなく企業だった。
  • 参加規約違反でサークル自体が参加禁止。
  • 製品に問題がある場合は、製品だけを止める。

この結末であれば、一般販売を個人または企業として行うシナリオが考えられる。

この話では、NDS向けにソフトウェアを開発して発売もしくは配布できるのかどうかの可否が非常に興味深い。

DS向けにソフトウェアを開発して発売もしくは配布できるのかどうか考えてみる。同人でNDSソフトを売るべきかどうかの議論や文化論については関係がないので割愛する。

ライセンス違反という思考停止

上記のブログのコメント欄は

DSでソフトを出すならライセンス契約が必要

という話で終始しており、思考停止している。コメントは1780まで読んだ。2時間かかった。

この手の話題は若年者も多いためか、有益な議論として成り立たず、前に進まない。

Wikipediaを参考とすれば、

ライセンス(米license、英licence)とは、それが存在しなければ違法となる行為をすることを許可すること、あるいはその許可を称する書面のことをいう。

となっており、違法行為さえ行わなければ、ライセンス契約は必要ない。例えば、このWikipediaからの引用も違法となる行為ではないので、Wikipediaとライセンス契約を結ぶ必要はない。

以上のことを踏まえて、ライセンスが必要となる、その違法行為とは何か、を考えていくことが必要になってくる。

事前知識として任天堂法務部 最強列伝 – 東京のはじっこで愛を叫ぶのマジコンの件についての考察が興味深い。

以下の違法行為の可能性は個人的な考えであり、問題があるはずなので、意見があったら欲しい。

特許違反

2画面+タッチペンの特許が存在したとしてもソフトを含めたハードウェア(装置と方法)までの縛り

カートリッジを製造販売したら、カートリッジの特許系でアウト。データのみの販売なら問題なし。

著作権違反

任天堂が提供するライブラリを使っていたらアウト。自前ならセーフ。DevkitProなら問題なし?しかし、任天堂ライブラリを使わないと開発は難しいらしい。

BIOS?ROM?まわりの違反(があるとすれば)はマジコンが引き受けているはず。

ゲーム内容については二次創作ではなくオリジナルなら問題なし。
 

商標違反

NDSという言葉やDSロゴはアウト。正直、あのキーワードはいただけない。

不正競争防止法

著名表示に係る信用・名声を「利用して不正の利益を得る目的」またはこれらを「害する目的」を要する。
DSを連想させればアウトだが、エミュレータ込みなら分からない。

開発環境の利用許諾違反

開発環境の実行許諾を得る際に契約するが、開発環境を用いなければ問題なし。

ここで考えが及ぶのは、データを買った利用者とNDSの間の規約?

NDS実機の利用許諾違反を利用者に促す幇助

NDS側に専用のハード以外は利用できないと利用規約が書いてあれば、利用者が違反してしまうので幇助。
利用できないかもしれないが、注意にとどめているはず。独禁法に抵触するためか?

オリジナルのソフトウェアがマジコン前提の利用に絞っていた場合、マジコンが違反判決が出れば、現状のマジコンでは利用者を意図的に違反させることになるので幇助になる。ただし、エミュレータは存在しているので、エミュレータも用途と言ってしまえば、問題ない。

さらにプロテクト回避行為を行わないマジコンなら不正競争防止法には引っかからないので配布は問題ない?

類例

例えばWindowsのソフトウェアを開発して配布する場合、VisualStudioのライブラリを利用して配布するのであれば、VisualStudioの購入(ライセンス契約)が必要。

しかしmingwで開発して配布は自由。

利用者側はOSと利用許諾の契約をしており、利用許諾にM$社が認める特定の企業のソフトウェア以外は動作させてはならない、としてあれば縛りは可能か。

そんなことをすると第3者企業が育たないのでやらないが、NDSのような専用機であれば、その条項は入れても良いような気もする。んでも独禁法に抵触するのかね。

結論

  • NDSなどの商標は危ないので「なんだか分からないけど動くよー」。
  • 任天堂が著作権を持つライブラリは使わないこと。
  • 任天堂の開発環境は使わないこと。
  • マジコンが白になるまで待つこと。
  • もしくは回避行為を行わないマジコンを待つこと。
  • ハード周りの特許についてはマジコンに○投げすること。
  • NDSの利用許諾を確認すること。
  • 信用・名声を害さないこと。

とすれば、大丈夫な気がする。

疑問

商標が危ない、ということはあるんかいな?動作環境として書くのであれば、問題ないような。

その他

任天堂はハードで稼いでるよん。

邪推

例のゲームについてマジコン業者がいたことの裏についての推測。

マジコン業者が白になるためには、現状の著作権違反のダウンロードしたROMデータを利用する形態からの脱却が必要。そのためには何が必要か。

マジコンでのみ動作する自作のオリジナルゲームの販売実績。または、その開発環境であり、実行環境であるという肩書きと公的な認識。その文化の定着による、オリジナルゲームの氾濫、その効果によるマジコン販売実績の向上。マジコン開発環境(ライブラリ提供)の独自開発の線も見えてくる。

そこで何らかのつながりをもって、実験的にNDSソフトウェアの販売を試行。

想定する結果としては「大成功」。お咎めなし。その条件がそろえば「合法P2P」的な話に持っていける。マジコンの販売は黒から白になる。

このマジコンの販売は、NDSの開発環境提供によるライセンス販売を脅かし、将来的に売り上げ低下をもたらす。そのからくりに任天堂側が気づいたため、今回のドラクエ5騒動+マジコン提訴の流れを急いだ。

この流れが正しければ、まさに「任天堂法務部 最強」。

# Friio は大丈夫だったでしょ

カテゴリー: チラシの裏 パーマリンク

マジコンでオリジナルのゲームを販売する権利は縛れるのか への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください