ゲームニクスという考え方について

渋谷の本屋でニンテンドーDSが売れる理由という本を買った。ゲームが好きな人で、ゲームの良さを仕事に生かしたい人は、良い本だから買うといい。ゲームが面白い理由がインターフェースを中心に書かれている。

そもそも私がゲームに興味を持ったのはファミコンとの付き合いがあったからであるが、途中で音楽と研究に没頭しているうちに興味を失い途絶えた。再度、興味を持ったのはPS3とデジタルテレビ(ハイビジョン)の登場ともう1つ興味深い問いからだった。

その問いは、この人にゲームに何を求めるのか?ということだった。この問いは数十人に行われたものであり、集計して公開された。自分はなんと答えたのか忘れてしまったが、各人がゲームに対してそれぞれの答えを持っていたと記憶している。ストーリーであったり、ゲーム性であったり、ダイエットだったり、コミュニケーションだったり…

この問いの答えに衝撃を受けた。個人個人がゲームに求めるもの、面白いと感じているものが違ったからだ。8割方、同じ答えになるだろうと思っていたが、そうではなかった。この出来事から、エンターテイメントの多様性を信じるようになった。音楽、文学、映像、アイドル、テレビ番組など、多様性に満ちているが、今までその意味がはっきりと分からなかった。音楽に救いを求めている部分は千差万別だ、ということに十年早く気づいていれば、別の展開もあったのかもしれない。多くの人を集めるコンテンツは正しいが、それが全てをカバーするものではない。

他の例を挙げれば、何を面白いと感じるのかに関しては任天堂の岩田社長は「測定する方法もなければ理論もない。仮説を立てて検証しているだけだ。」としている。また、(記事ソースを見つけることはできなかったが)「ゲームは辛い作業や単調な作業を続ける工夫や魅力がある」といった趣旨の発言をどこかでしていたと思う。この発言の趣旨に驚いた。

パチンコ・パチスロなどのギャンブルは電子ゲーム化してきているが、これらはゲームニクスをよく考えて作られており、大当たりというシステムに一度あたってしまうと脳内物質が分泌されて中毒性のようなものを与える。オンラインゲームだろうとオフラインゲームだろうと、このような中毒性を持っているのだろう。

さらにこれを仕事に適用できないか、と考え、仕事はゲームだという書籍も購入した(が、読み終わっていない)。

ここまでをまとめると、ゲームには辛い単調作業などを続けさせる工夫に溢れており、他の人からは一見何が面白いのか分からない作業を延々と続けさせる魅力がある。その魅力は工夫のたまものであるが、その工夫とはなにかを前述の「ニンテンドーDSが売れる理由」という本で説明をしている。本の帯には「なぜテレビゲームにハマるのか?テレビゲームの中に隠された人を夢中にさせるテクニック」と称されている。

正直な話、「ニンテンドーDSが売れる理由」というキャッチーなタイトルをつけなければ売れない本であるが、このタイトルでさえもゲームニクスの1つなのだろう。

2007年に出版された本であるが、古さを感じない。むしろファミコン時代のロードランナー、ゼビウス、スーパーマリオ、ドラクエ1を例に説明を行っているので、ファミコンを知っている世代しか読めない本であり、最近のゲームを始めた人には厳しいかもしれない。

ゲームニクスの内容については今後、よく理解できたら本書に書いていない例を探して分析していきたい。

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