「うまい、はやい、やすい」について

「うまい、はやい、やすい」が大事だ、と言うと、

それって牛丼の話だよね?キン肉マンで流行った?

と、言われ、おお、その通りだなぁ、と思った。

「うまい、はやい、やすい」は飲食店でよく使われるという認識だった。

日ごろから、この言葉には色々な意味が含まれていると感じていた。その飲食店における評価は「うまさ」「はやさ」「やすさ」で決まるということであること。つまり飲食店において「うまさ」以外の評価指標があること。評価をするために測定をしなければならないこと。指標に「サービス・接客」は入れていないこと。その評価には優先順位があること。

検索でこの言葉について調べたところ、やはり牛丼、吉野家の言葉だった。

参考:「うまい、はやい、やすい」を支える健全で強い吉野家文化

やはり、「うまい、はやい、やすい」という順だった。あるブログには、当初は築地店だったので「はやい、うまい」だった、とも書いてある。

なるほどなー、と思わされる。当初は築地で働く人のために「はやい」食事が望まれていたと考えられる。「はやい」のためなら「たかい」でもかまわない人が多かったと予想できる。築地なら「うまい」は当然なので、「はやい、うまい」だった、と。

しかし時代の変化とともに、他店舗化、他の地域への出店が行われた。「うまい」がないがしろにされ、「はやい」のみが重要視される効率化を追求した結果、「はやい、まずい」になってしまった。他の地域ではいかに「はやい」でも「まずい」は受け入れられない。そこで優先順位を再確認することが必要で「うまい、はやい、やすい」となった。「うまい」飯でなければ、客は来ないのだ。

この言葉を元に、さまざまなものに適用できないか考える。「うまい」を”目的を上手く満足することができるか?”という指標とすれば、

  1. 目的を上手く満足することができるか?
  2. それをすばやく達成することができるか?
  3. それを安価で実現することができるか?

という見直しのための判断基準となる。ものごとを考える場合、この3つを考えるだけでも満足度を高めることができるかもしれない。

コンセプトや標語というものは、短歌や俳句などのように字数圧縮をすることによって、覚えやすくなる。ホウレンソウもその1つだ。短歌や俳句、標語は少ない文字列の中に、どれだけ意味を含めることができるかにある。また短歌や俳句に対して標語が異なる点は、全ての人が同じ解釈をできなければならないということだ。評価対象・優先順位がわかりやすい点で「うまい、はやい、やすい」は優れている。

注意が必要なのは「うまい、はやい、やすい」を全てに適用することはできない、ということだ。例を挙げれば吉野家は多くの人を魅了しているが、全ての人を魅了しているわけではない。人によっては、「サービス・接客」や「近さ」、「内装・雰囲気」を重要視する。「うまい、はやい、やすい」は6〜8割の人を魅了するために最適の策であり、また薄利多売の要素を持つ。高付加価値や高級ブランド化戦略とは異なる位置にある。

また、諸段階のサービス時点では、吉野家のように「はやい、うまい」の方が目的に合うかもしれない。

このような評価対象と優先順位を連ねただけのコンセプトでも、意外な効果はあるかもしれない。その場合は、規模と対象を考え、どの評価指標をどの優先順位で入れるのか、検討することが重要

…かもしれない。

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