サイボウズ創業者の方が米国で起業していたが、会社を清算するようだ。SaaSを停止、会社も清算して“次”に挑む:ITpro。
通常、事業をたたむ場合には会社を清算せずに事業自体を清算する。なんだかんだ理由はあるが、もう一度会社を作るのが面倒だとか、今までの人材を使いたいとか色々ある。そして、生きている会社を清算することは、かなり面倒である(と聞いている)。
彼の弁では、「持たない経営」にベンチャー企業が向かっているという。
個人的な見解だが、事業を行うために企業という枠が必要になる時点は、想像するより、かなり後だと思う。えてして早期の会社設立は「事業を行うための覚悟(を示すこと)」「名刺に書くための見得(もしくは信頼)」「形から入る」という発想から行われると思う。それはある意味正しいし、ある意味間違っている。
「覚悟」さえ決まっているのであれば、会社という枠は必要ない。特に早期の企画時点や初期開発の評価を行う時点において、ベンチャー企業を作ろうと考える者にとって会社設立が必要かどうかは大いに疑問がある。
それに付け加える形になるが、オフィスが必要かどうかも検討する価値はあるだろうと思う。創業メンバーによる早期の企画・理念・開発を行う時点である2,3人の状況では、おそらく誰かの部屋か、ファミレスでの検討で十分なのではないかと思う。
早期の足場固めが終わった時点であれば、毎日顔を突き合わせて、その題材を元に議論するのも、それもまた意味のあることだと思う。しかしながら、早期の足場固めが上手くいく保証はないし、上手く言っていない時点で毎月オフィス代を消費してしまうのはどうかと思う。早期の足場固めの精神について、固まったところを世に出して、評価を得てから動くというのも大いにありだと思う。
ただし、この考え方は、ゴールをどこに置くのかによって変わるかもしれない。ベンチャー思想というよりもSOHO思想派なので、そう思うだけなのかもしれない。
また、早期の思想固めについてヒントを出すのであれば、この思想固めを一人で行うのは非常に危険だと思う。最低2人で話し合う必要があり、かつ1人は批判屋かまったくの業界初心者あたりがいいかもしれない。批判屋の批判に答えているうちに芯が通っていくだろうし、初心者への説明は他のステークホルダーへの説明練習になる。誰でもいいから首根っこを捕まえて上手く利用するといいだろう。
そうすることで、主観的でありながらも客観的な話も網羅するいいアイディアと思想が出来ると思う。そうした時期を経た後でも会社設立はまったく遅くはない。