今思えば原点はテレビ番組配信サービスにあったのかもしれない

ロケーションフリーテレビの衝撃以来、このシステムを作ろうとLinuxの勉強を行い、サーバの勉強を行い、テレビ放送のインターネット転送ができるシステムを作った。今思えば、サーバやネットワークについて深く知ろうと思った原点が、このテレビ番組配信サービスにあった、と思う。

当時は分からないことだらけだった。

分からないなりになんとかシステムを作り上げ、チューナーボードからLinuxで映像を取り出せるようにして、自宅のテレビ放送をインターネットを経由して手元に引き出し、PCで表示して周りの人間に自慢していったのはいい思い出だ。

そんなことをしていたら、何の因果かそのシステムを応用して無線LANで伝送している日々だった。PDAであるザウルスを無線LAN接続して小さな画面で表示させたりの実験などを個人的に行ったりもした。PHS回線を通して映像を表示させる実験もやった。電車の中でテレビ(甲子園)を見ようと思ったが、電車が動き出すと映像が途絶えてしまう。

ここまでテレビに飢えていたのに、ワンセグやau Boxのおかげで、もう、どうでもよくなってきた。

話は戻ってインターネット上でテレビ番組を伝送するシステムについて。

実は、このシステムが世界レベルで完成すれば、ケーブルテレビで見るような海外のスポーツの中継などは、海外拠点のハウジングサービスを経由することによって簡単に、そして安価に見ることができるようになる可能性を秘めている。(といっても電源と向こうのインターネット接続環境と電気代を考慮すれば、CATVや衛星放送の料金など軽く超えてしまうかもしれない)

この私的利用の範疇において、距離の問題で受けることのできなかったサービスは、その場所に中継器を置くことで享受する事が出来るようになる。

例えば、関東では放送するが地方では放送しない番組、またはその逆があるとする(有名な例では「水曜どうでしょう」)。合法でその映像を見たいと思う場合、この中継器を置く手法で解決できる。正直、地方民放の電波利権そのものが、「まねきTV」や「日本デジタル家電」の判例で決定すると考えても良い気がする。

この判例が適法と判断されれば、大手が参入してくることだろうと思う。特にCATVやISPが参入した場合を考えると面白い。TiVoのように、STBに、ある場所で録画された番組の再生機能を搭載して、CATVやISPが配布を行う。そうなった場合、地方、都市の放送の格差は是正される。

デジタル放送の場合、困難が伴うかもしれないが、DTCP-IPなら…きっとやってくれる。

例えば、区域外再送信についてはIPマルチキャストという手法が既に著作権問題が解決され、例えば「ひかりTV」にて始まりつつある。地方放送局の利権をCATVが食い、CATVの利権をISPが食う形になっている。彼らはもう一手、付加価値を付けられる手段を探している。

例えばCATVやISPそのもので、録画(機器のハウジング)も行うというサービスが付加価値をつける時代がやってくると考えられる。

そのようなシナリオを考えた場合、本当の意味で、放送の価値が変わってくるのだと思う。STBにて録画した番組を見ることが主体となっていくのであれば、CM飛ばしは深刻な問題となってくる。CM飛ばしによってブランディング効果が薄いとすれば、CMをコントロールできるネット放送局の方に注目は集まっていくことだろう。

だとすれば、結局のところ、Huluのようにテレビ局の公式コンテンツを、Youtubeのように見せる。見せるが、CMを流して収益を得る、というモデルに集約されていくのではないか、と考えられる。

既存のテレビ放送は家族との食卓を飾るゴールデンタイムだけは残り、後の個別視聴スタイルの時間帯(例えばプライムタイム)のものはすみやかにネット放送局に移行していくのではなかろうか。個別視聴スタイルのもので、かつネット放送であれば、CMも打ちやすいし、そのままECサイトへの誘導も速やかな印象を受ける。

その仮定が正しいとして、ネットによるCMつきの無償放送が日本にて、品質管理された回線にて行うべきか、ベストエフォートな回線にて行うべきか、を選別する必要がある。

また、完全なベストエフォートな回線ではなく、その中間的な意味のCDNの存在も今年はHDTV配信元年になるらしいという記事を書いたが、欠かせない。

それぞれの事業者がどの回線を選び、そして視聴者がどの視聴スタイルを選択していくのか、非常に興味深い。

と、ノリで色々書いてみた。

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