補償金問題の整理

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/25/news018.html

「JEITAはわれわれの質問に答えず、役所まで使って我を通した。権利者としては『ここまで常軌を逸している相手と突っ張り続けても生産的ではない』と判断し、消費者のためにダビング10を了承した。権利者の見識を、JEITAは見習ってほしい」

「権利者は、BD課金に関する省庁合意がきっかけでダビング10について譲歩したと見られているが、それは本旨ではない。BD課金がダビング10の解決にならないことは明確にした上で、期日の確定をした」

「ダビング10に同意しないという選択肢もあり、『権利者は重要なコマを失ったのではないか』という意見も承知しているが、あえて逆を行った」

「『将軍様は偉大です』と繰り返す相手に『将軍様も人間じゃないですか』と語りかけても、『偉大なる将軍様は絶対です』という答えしか返ってこない状況と同じ。意見の対立というよりも、対話を拒否されているようだ。この時点でJEITAは(補償金制度の見直しを議論する)当事者性を失っている。その一方で JEITAは『今後も真摯に議論する』と言うが、それはまさに問答無用という姿勢。そのあたりをよく報道していただければありがたい。これからも権利者側は、皆さんの見ている公開の場で質問の山を重ねていきたいと思っている。」

さて…ここまでの議論を整理しようか。

補償金制度のメリットは消費者がDRMなどの煩雑な処理を行う必要がないこと、デメリットは保証金の分配及び不明瞭な会計問題が存在するために本来の権利者がもらうべき対価が正当に支払われていない可能性があること。

補償金制度廃止のメリットは本来の権利者が権利をコントロールでき正当な対価を得られる可能性があること、デメリットはDRM技術によって消費者の持っている機器間におけるコンテンツの移動が困難になる可能性が高いこと。

DRMに関しては標準化、もしくはデファクトが決定されれば問題はない。補償金制度の場合は、HDD課金も仕方がない、かもしれない。

ここからは深読み

補償金制度を支持するのであれば、ダビング10ではなく孫コピーを許すようなコピーフリーであるべきだ。そうであるのなら消費者にとって補償金の方が利便性が高い。しかし本来の権利者(作者)に対価が支払われないので、権利者のモチベーションが下がる。

DRMを支持するのであれば、DRMのために対価を支払わなければならない。権利者への対価は正常に支払われるため、権利者側が増える。DRMの乱立による面倒さが出てくるため、消費者の利用効率が下がり、結果として消費者は減る。

今回の権利者側のダビング10の了承は、おそらくは既に落としどころとして決定していたダビング10への移行を、権利者側の苦渋の選択として見せることを目的としたブラフ。補償金は緩やかに残る。残すためのダビング10了承。しかしそれを簡単に了承してしまうと他の権利者が煩い。だから苦渋の選択という姿勢を見せた・・・。その姿勢はダビング10以上は譲らないという意思を伝えるにも十分で、コピーフリーな世界はもうありえないっ・・・。反面、補償金制度は残ることが約束されたようなもの・・・!。それさえあれば、彼ら(の団体)は補償金の使途不明金で生きることができるっ・・・!!!

今回は権利者側の勝利。

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