音楽CDの売り上げは何処にいったか

音楽CDの売り上げ低下がニュースになり始めた頃、米国タワーレコードが潰れたときから、音楽CDに流れていた金の流れがどう変化していったか考えてきた。その結果、どう考えても通信業者、ISPに流れたとしか考えられない。

U2マネージャー、再びインターネット業界を口撃:「ISPは音楽から上げた利益を共有せよ」:P2Pとかその辺のお話

「ケーブル企業、ISP、デバイスメーカー、P2Pソフトウェア企業―これらの企業は、ブロードバンド料金や広告料金から膨大な額の利益を生み出すために音楽を利用した。そして彼らは、音楽の価値の劇的な低下については、中立な傍観者であると主張する。私はそれが真実だとは思えない。」

このような意見をU2のマネージャPaul McGuiness氏が述べているようだ。

自分としては、この意見をそのまま考えていた。彼らがそれを規制しないのは自社の利益を損なってしまうことに他ならない。だが、この事実を指摘してしまうとブロードバンド環境は発展しなくなってしまう。

インターネット初期はR-18コンテンツによって拡大してきたが、現状ではコンテンツを食い物にして成長しているとしか考えられない。この世界こそが絶対的な覇者であり、今、最も儲かる業界であると感じていた。通信を勉強しようと考えた背景にはそのようなものがあった。

しかしながら、音楽業界そのものも、効率的ではなく、クリエイターに収益が入っているのかどうかも不透明であることは確かだ。

同じような問題をプログラムも抱えていたが、コピーそのものを認めてしまうこと、ライセンスを継承させることで解決をしてきた。

音楽も今後、そのようになるかもしれない。
商用可能なCCライセンスで楽曲を提供する理由:「名もなき存在でいること、それが本当の敵だ」 – P2Pとかその辺のお話@はてな

でも実際のところ、誰がそんなことをする?もし誰かがそうしたとしても、帰属(attribution)が与えられている限り、僕にとって望ましい状態なんだ。無料で手に入ったとしても、ペイしようと思ってくれる人はみんな、クリエイターをサポートするためにそうしてくれる。

Creative Commonsライセンスにて営利利用を許諾する音楽についての議論だ。

音楽を誰かがコピーして有料、もしくは無償で売ったりしても、ペイしようと思うリスナーであれば、ペイしてくれる。もしその音楽を、映画やテレビで使いたいのであれば、ライセンスは継承したくないのであれば、個別の契約をしよう、という話ができる。もちろん無償で利用したいのであれば、ライセンスを継承すればいいし、そうすることで名が広がる。

名が広がるということは、誰かが広告してくれたということだから、広告宣伝費として消化されたと考えればよい。そもそも莫大な広告宣伝費そのものの使い方にも疑問があって、その資金を使って使いやすい何らかのソフトウェアツールを使って配布した方がよっぽど広告になるのではないか、とも思っている。

話は戻って、例えば、このようなライセンスの継承を、Youtubeのような投稿サイトで行ってみたら、どうだろうか。どのようなCCライセンスを投稿者が選ぶかによるが、いわゆるコラボレーションがしやすくなるのではなかろうか。コラボレーションしてもライセンスを継承し、名が広まっていくのであれば、それはそれで良い。いつか声がかかるかもしれない。

音楽CDの売り上げは減ったが、今は変化の痛みを感じている時期なのかもしれない。通信業界には吸い上げた利益を、この先のことを良く考えて使ってもらいたい。

カテゴリー: チラシの裏 パーマリンク

音楽CDの売り上げは何処にいったか への2件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください