ドコモの決算資料を見る

2年前のプレジデントという雑誌に、ドコモ夏野氏の記事があった。その中に「全体の二割に当たる約1000万のヘビーユーザーによって同社の収益は支えられてきた」という言葉があり、印象に残る。夏野氏はiモードの立ち上げに深くかかわった人物である。

当時として定額制のサービスが出始めた時期らしくヘビーユーザーの争奪戦が激しくなっていくさなかであった。そこでヘビーユーザーに目を向けるのではなく、残りの八割のライトユーザーの収益性を高めることが問題解決の戦略としてあげられている。それらが”ワンセグ”であり、”DCMX”だった。

今はその2年後であり、その答えが出ている。既に夏野氏はNTTドコモを退社している。

ドコモ2008年3月期第3四半期決算資料を見ると、その結果が興味深い。

ARPUとは一契約当たりの月間収入を示す指標として示されるが、全体のARPUの比率のうち、音声からパケットに割合が遷移しており、05/4-6では音声:パケット=1:3程度の割合だったのが、07/10-12にて1:2程度になっている。音声で収入が得られなくなっている。内容もパケットARPUに終始している。Googleとの業務提携も大きく取り上げている。

スライド14番のパケットARPUの上昇というグラフについてだが、別のIR資料では「従量制パケットARPUの”育ち”」とタイトルが異なっている。

ワンセグの独自放送はこれからであり評価には至らない。しかしiモードのもたらしたオープンなプラットフォームは定額制の収入を増やし、ドコモの経営を支えているようだ。

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