コピーテンスはlost-lostの結果だった

一連の経緯。

ITmedia +D LifeStyle:「コピー10回だからこそ、補償金制度が不可欠」――権利者団体が主張

 音楽や映像、実演に関する権利者団体で組織される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」(以下 権利者会議)は7月17日、都内で会見を開き「コピーワンスの回数制限緩和には私的録音録画補償金制度の維持が不可欠」との声明を発表した。

実演家著作隣接権センター 椎名和夫氏いわく、「10回という数字は必ずしも納得がいく数字ではない」。ん?”私的録音録画補償金制度の維持”って言葉、出てくるの?なんで?ということで、

日経エレクトロニクス2007年6月18日号 – Tech-On!

従来製品との互換性などを根拠に,機器メーカーが主張し続けたEPNコピー制御方式への移行は受け入れられず,著作権利者らがこだわったコピーの回数制限を盛り込んだ。河村真紀子氏は一連の議論に委員として参加し,消費者の立場から制度の改善を訴えてきた。

そう、冒頭の記事でもEPNが登場しているが、EPNなら”新しいメディアへのバックアップ”が可能になる。

COGとEPNの違いについては本田雅一の「週刊モバイル通信」が詳しく、

 そもそも、なぜコピー回数制御が今まで行なわれていなかったのか。振り返ると、デジタル放送時に挿入されるコピー制御フラグの扱いが起源だ。コピー制御フラグは2bitしか割り当てられていない。つまり4つの状態を示すことができるわけだが、コピー禁止とコピー許可を引くと、残りは2つしかない。その1 つがCOGであり、もう1つがEPNだ。EPNはコンテンツを暗号化することでインターネットでの再配布は防止しつつ、複製はほぼ自由に行なえる運用形式。

ということで、委員会ではEPNをプッシュしていた。その様子が、

「コピー・ワンス見直し」の結論が広げた波紋 – 日経エレクトロニクス – Tech-On!

 記者はそれまで,コピー・ワンス見直し議論の結論は,どちらかというと権利者サイドが一定の満足を得た決着だったという印象を持っていました。機器メーカーが主張し続けたEPN(encryption plus non-assertion)コピー制御方式への移行は結局,受け入れられず,従来機器との互換性を捨ててまで,権利者サイドがこだわった複製の回数を制限する技術が導入されたからです。

 結局,今回の会合の議論自体はその後,椎名氏のような権利者サイドの主張と,それに疑問を唱える主婦連の河村氏やIT・音楽ジャーナリストとして議論に参加している津田大介委員らの主張が平行線をたどりました。最後まで溝が埋まらないまま,時間切れで次回に持ち越しになりました。この分では今週末の6月 15日に予定されている第5回の会合でも,同じような展開になりそうです。

という結果に終わっている。その過程で補償金は要らないという議論が出た跡があるらしく、文化審議会 著作権分科会 私的録音録画小委員会(第4回)配付資料 [資料1]−文部科学省という話も出てきているらしい。

この資料は短いので是非読んでおくと良い。切れ味のよい批判である。

この補償金制度。結局、謎のところが大きい。コピーテンスを認めてまで、補償金制度を守ろうとしているあたり、やっぱり怪しい。

Appleの私的録音録画補償金制度の廃止のパブリックコメントの波紋は大きく広がりつつあると感じる。

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