カラオケと時代の遷移

品質史上主義。音質がいいからではなく、心に響くから聞く。カセットテープの時代だって音楽は売れていた。音質がいいからCDを買うという考え方は、もう古いのかもしれない。

覚えやすい歌。カラオケ流行と共に歌いやすい歌。その次に難しくて歌えない歌。今は、VOCALOID系の歌がカラオケランキングに食い込んでいるようで。2010年上半期JOYサウンドランキング。歌が上手いかどうかとは、また違う次元。

カラオケで歌われるということは、その集団で共通認識があるということで、みんな知っているという事なんだろうな、と。この時代、個人は自分の好きなジャンルが細分化されて、共通の好きなものを見つけることが難しいのかもしれない。商用音楽は買わないといけない。対して、ニコニコ動画で無料で見ることの出来る歌であるから、集団で共通に知ることは簡単にできる。かつ、今まで成長を見てきたVOCALOIDの歌、人間ならもっと表現できるかもしれない可能性を見せてくれる歌。そういった意味を以て、カラオケで歌おうということなのだろう、かと。

好きなものに対してはお金を払える。好きになるきっかけの窓口が減ってきているし、窓口を知らない(ラジオを知らない)。どうも窓口から流れてくる音楽も好きになれないし、好きになれたとしても、その集団で共通の認識があるかどうか分からない。見つかりやすさで考えれば、商用音楽だってYoutubeで適当に見つかる時代なのに、カラオケのランキングを占められないという事実に驚く。

そもそもカラオケに行く客層自体が大きく変わっているのか。ランキングに入っているのは女性が歌うような歌ばかり。分からない。

ともかく、著作権がそこまで厳格に適用しようと思わない作者たちと、映像つけたりアレンジしたりでマッシュアップを楽しめる文化をここまで創り上げた人々やその空気は、他の国にはない新しいモノのように思えてくる(知らないだけかもしれない)。お互いを見知らぬ一人ひとりが繋がって出来ることを少しずつ提供して、できた1つの作品が多くの人を癒したり勇気づけたりできるのであれば、それは凄いことだと思う。音楽のWiki的なものだろうか(簡単に誰もが編集できるという意味で)。

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