アプリケーションをネットワークの上に置く

昨年の10月末にWindows7をインストールしたときに、アプリケーションの選定にあるルールを定めた。

それは各アプリケーションでポータブル版が存在するのであれば、積極的に利用するというルールだ。

PortableApps.comというサイトにてダウンロードすることのできるアプリケーションはFirefox, ThunderbirdなどMozillaの製品を始めとして、GIMP, Inkscape, UltraVNCなど多岐にわたる。

特にブラウザとメールクライアントについては毎日利用し、かつPCの買い替え時には面倒な移行作業が発生する点を課題と思っていた。このサイトで配布されているポータブル版は、USBメモリに入れて利用できるソフト郡であり、別のPCでも簡単に利用できる利点が存在する。これはすなわちアプリケーションからPCに対して固有の情報を書き込まないということであり、USBメモリのフォルダ内に限られた空間にデータを保存していく。このようなソフトウェアを利用することで、PCを交換するだけでもファイルのコピーだけで済むので非常に楽だという考えがある。

これらのソフトウェアをUSBメモリ上ではなく、HDD上に展開して利用してみることにした。このルールを始めてから、半年弱が過ぎた。

不便な点はある。

それは拡張子が自動で関連付けされるということがないので、OpenOfficeのファイルを開こうとしてもプログラムの場所を指定しなければならない。一度関連付けをしてしまえば次からは簡単に開くことができる。これに気づくのに数ヶ月かかってしまった。
またソフトウェアによっては自動アップデートを持つものがあるが、ポータブル版だとうまくいかないことが多い。多くのソフトウェアは展開したバイナリを自分で上書きする必要があるように思える。その作業は非常に面倒だ。加えてChromeのような特殊な製品の場合、ポータブル化が遅れる、プラグインに対応しないなどの制限もある。ポータブル版にはオープンソースウェア版が多い。それゆえに市販される製品へのチャレンジ精神が削がれる、という難点もある。

そうした利便性、不便なところを踏まえて、ポータブル版の運用はなかなか良いではないかと思えてきた。

そこで、もう1歩進むべく、ネットワークドライブの活用を考えている。今現在は、ノートPC内の作業データをネットワーク上のファイルサーバ(samba)に移して、そこから読み出して利用することにチャレンジしている。驚くことに、多くのソフトは上手くいっている。動作が怪しいのはeclipseあたりで、よく検証してみる必要がありそうだ。

現段階で検証しているのは、HDDで運用していたポータブル版のアプリケーションをネットワークドライブに移して利用するとどうなるのか、についてだ。データをネットワーク上に置いて作業をする場合は、アクセス時は読み込みと保存時のみであるケースが多いと思われるのだが、アプリケーションとなるとどのようなときにアクセスするのかは分からない。多くのアプリケーションはプログラムをメモリ空間に入れるときのみ読み込みが行われるような気がするのだが、大きなプログラムとなってくると、それ以外のケースもあるかもしれない。

こうしてネットワーク上にあるどんなPCからも自分のアプリケーションにアクセスできる状況が作れてくると作業効率が上がるかもしれない、という実験めいたことをしている。ネットワーク上にデータを移していく問題点として、ファイルサーバが止まったとき、ネットワークに障害があるときにアプリケーションにアクセスできない点がある。本来的にはノートPCのHDD上とファイルサーバのアプリケーションフォルダは同期するべきなのだろうとは思うが、他に良い方法があるかもしれない。

光ケーブルの工事が済んだら、ネットワークを介したVPNによる呼び出しも面白そうだと妄想している。

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