Chrome OSに見るWeb OSとその先

3,4年前からWeb上で全てのアプリケーションが動作するのでWindowsなどのOSはブラウザが起動する簡単なもので良く、サーバーを初めとした集中管理型のネットワーク構成になる、という話が夢を持って語られていた。これはGoogleがWeb上でオフィススイートであるWritlyを買収してGoogle Docsとして公開する前後で語られていた妄想だ。

過去にWebOSとして鳴り物入りで公開されたstartforceなどは継続はしているようだが、華々しい話などは聞かなくなった。startforceはJavascriptのAjax技術(今やAjaxという呼称さえ死語なのかもしれないが)を用いて、Windowsライクなデスクトップをブラウザ上に表現するプラットフォームであり、その上で動くアプリケーションを作成すればあたかもWindowsデスクトップをブラウザ上で再現できるという筋の表現技術であった。現時点でstartforceがそこまで普及しなかった原因を考えるに、誰もWebOSに(Windowsライクなスタートメニューを含む)Windowsデスクトップであることを望まなかったことに一因がある。そもそもの話をするとWeb上でOSという概念が必要なのだろうか。

よくよく考えてみると、望まれているのはブラウザを起動した後の環境ではなく、ブラウザを起動するための環境である。現状ではブラウザを起動するための準備としてWindowsやMacなどのOSのインストールか、もしくはKnoppixやUbuntuなどのLiveCD、LiveUSBなどの用意が必要である。そして、これらのOSの起動は遅く少なくとも30秒から1分は必要とする。

そうした環境でも、なお、ネットブック、ネットトップと呼ばれるインターネットの使用のみを意識した製品は良く売れている。これらの製品が売れるということは、現状のインターネットに接続できるだけでも十分であるということの証左なのではないだろうか。

このような様子でもGoogleは満足ではなく、Chromeというブラウザの開発、そしてそれを動作させるOSの開発を始めた。Google Chrome OSのデモを見てきたを初めとしていくつかの記事がニュースに上がっている。

 同氏はまた、Chrome OSにおけるGoogleの目標がスピード、シンプルさ、セキュリティであることも語った。Chrome OSを「非常に高速」にしたいとし、「電源ボタンを押したらテレビのように起動するようにしたい。電源を入れたらすぐにWebにアクセスしてアプリケーションを使えるようになるべきだ」と話した。

この部分を考えるに、Googleとしては「早い、うまい、安い」OSを世界に提供することで、よりインターネットと人との距離を縮め、自社の検索サービスの利用者を増やし、収益を上げる戦略なのだろう。

「Chrome OS搭載PCは7秒足らずで起動」とGoogleとある。Windows7では起動スピードが大きく評価された(?)ように、世界中の人々は電源OFF状態からの起動速度に関心があるようだ。それを分かっていて宣伝しているようだ。またChrome OSのログインは(まだ良く調べていないが)gmailアカウントのIDパスで行うようだ。つまり、ChromeOSへのログインはgmailのアカウントを持っていないと出来ないために、Googleそのもののサービスの利用を前提とする。このことからも戦略的であるように見える。

世界にデータセンターの数はGoogle, Amazonを含めて5つ程度しか要らない、という議論がある。Web上でほとんどのサービスができることによって、このような、集約されたデータセンターに接続するだけで仕事や趣味が完結するという意見からだ。データセンターは集約されることで、いくつかのメリットがある。

  • 多くの人で共有するので、無駄が少なく、1人あたりのコストが安くなる
  • データセンターとして大量に準備することで、効率のよい状態のものを大量購入で安く準備できる
  • 人から人へのデータの移動が、近距離に行われる、もしくは遠距離のデータセンター間になることが確定するため、高速なデータ転送が可能になる

それに対してデメリットは、

  • データセンターに近い側の回線がパンクしたらアウト
  • データセンターがデータを持っている事実が怖い
  • アクセスラインが光以上じゃないと、ゲーム的な応答速度を要求するものは難しい

な感じだろうか。最近のニュースでは、ブロードバンド契約、光が50%超え 「最速」 動画需要増追い風となっており、もはや光より遅い回線の所持者は少数派になっている。今まで回線速度が遅いから云々の言い訳はそろそろできなくなりつつあり、様々なサービス、技術が生まれそうな素地が整いつつあるように思える。

明確に口にすることは出来ないが、思うに、今のインターネット技術は回線で出来る性能、能力、そして常時接続である利点を最大限に引き出していない。そして光ブロードバンドの応答、帯域が来ようとも、そのポテンシャルを引き出していないように思える。この答えがWebOSにあるかといえば、そう思えない。しかしながら、ChromeOSは良い筋をしており、その入り口部分になる部品だとは思う。

で、結論として何が言いたいのかというと、価格.com限定キャンペーン経由で光プロバイダに入ろうとすると48,000円キャッシュバックだということ。11月末まで8日なので、光ブロードバンドに接続していない諸君は急ぐべきだ。

またNTTの200Mbpsサービスは実はNGNだということだ。でも実はKDDIの1Gbpsに負けるときもあるので、迷うよね、と思っていたら、未だに光oneが来ねぇ、どうなってんだコンチキショー!!!もうNTTでいいかな、と思い始めていて、未だにADSLで書いているのですよ、この文章は。もうADSLで十分だよね、今の環境だとね。文章しか書かないとね。

カテゴリー: チラシの裏 パーマリンク

Chrome OSに見るWeb OSとその先 への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください