ちまたではシングルCDが3000枚売れてないのなんのと話題になっている。黄金期に比べて売り上げは落ちているように見える。この理由についていくつか考えてみた。
- 邦楽(笑)は糞
- 着うたをはじめとするダウンロード販売が伸びた
- 音楽が救いにならなくなった
- iPodなどのmp3再生プレイヤーが売れたから
- そもそもシングルCDという形態が今の世代に合わない
- youtubeあるのに買う奴なんているの(笑)
- 歌える歌がない、歌いたいと思わない
- CDを買いに行く服がない
- タイアップが上手くいってない
- タイアップ以前にテレビを見なくなった
- 音楽はCDじゃなくてライブっしょ
- 音楽は聞くものじゃなくて演るもの
- 携帯代で音楽にお金を払う金がない
- 音楽なんてニコニコ動画のアマチュアので十分だよ
- レンタルで十分だよ
- あ、P2Pのこと忘れてた
思いつきすぎたので細かく掘り下げると時間が足りないや。
iPodの件
アンチiPod派なので、とりあえず叩いておこうと思う。iPodが売れた理由は革新的なデザイン、大容量のHDD、洗練されたUI、簡単なiTunesなど枚挙にいとまがないが、その1つにmp3が当時としては珍しく再生可能であるという点があった。
当時のホットな話題としてCDからmp3への変換を妨害するCCCD(コピーコントロールCD)の登場があり、それを理由によくavexは叩かれたものだった。またソニーはソニーミュージックを持つがゆえに電子機器よりも著作権を守る要素技術を投入する側に回り、ATRACという著作権保護技術を持つコーデックを利用する再生プレイヤーの発売を続けた。その時期において、素直にmp3を再生することの出来る製品は、有名ではないゲテモノ製品を除けばiPodくらいのものだった。ましてやデザイン的に納得できるものは少なかった。
今日においてmp3化された音楽を友人同士で共有することは容易であり、これもまた小規模であれば私的複製の範囲内である。しかし、この零細なる複製の集合によって、なし崩し的にコピーが行われ、CDの売り上げ利益が少なくなってしまったのではないか?という疑問が生まれた。
しかしながら、それ以前の時代においてもCDからMDへのコピーは行われてきたし、それがmp3になったからといって、促進されたということになるだろうか、考えてもすんなりいかない。よってATRACやCCCDなどの技術が残っていれば今頃の業界は変わることは無かったのだろうか思いをはせるが、前述の理由よりその影響は薄く、それよりもやはり、別の、通信ネットワーク的な何かが音楽に影響を与えたとしか思えない。
youtubeを標的にしてみる
数年前であれば「売り上げが減ったのはP2Pのせいだ」と主張していればよかったのだが、P2P利用者の数はyoutubeなどの動画サイトの利用者に比べれば十分小さいものだろうと考えられる。認知度にしても、利用度にしてもYoutubeが最も大きいのではなかろうか(世代によってはニコニコ動画か)。
CDを買う理由に、カラオケで歌うため、という理由が以前にはあった。若者のコミュニケーション手段としてカラオケボックスが流行り、歌いたいがためにCDを買うという行為が行われてきた。今であれば、Youtubeで聴くだけでも歌うための練習はできる。
ただ単に聴くという行為をとってもyoutubeの音質は悪くはない。そもそもCCCDの議論のときに音が悪くなるという要素があったが、それを聞き取れる耳の持ち主がどれほど居るだろうか。そもそも音質にこだわるのであればiPodを持たないし、着うたを聴くという行為も行われない。このことから、音質がいいものに対してお金を払う価値はないと判断されていると考えられる。音質以前に別に人間が歌ったり、演奏したり、ボーカロイドでも十分だと感じている人が意外と多いような感触もある。
オリジナルであることに、それほど意味がない。アーティストの売り込み手法の1つにヒット曲からアーティストのストーリーに光を当てて、アーティストの物語性を受け入れてもらい、その後に発表したCDを買ってもらうというものがあるとしたら、そのアーティストに意味を感じなくなってきている、ということではなかろうか。
今、高校生に人気のあるアーティストはランクインしていない?
といっても、高校生が邦楽アーティストを一人も知らない状況なのではなく、彼らは必ず好きなアーティストを持っている。昔ほどヴィジュアル系に傾倒する子は多くはないが、ジャニーズを好きな子がいたり、正統派のバンドを好きな子がいたり、そんなに昔の(しかし黄金期の)アーティストを尊敬しているのかと驚くこともある。結果としてジャニーズはランキングに入ってきているのだが、正統派がランキングに入っているかといえばそうでもないよーな気がしてならない。
そういう状況を見ていると、アニメとジャニーズを買う理由と正統派を買う理由は違ってて、正統派の音楽の伝わり方が変わってきているのかな、と思うこともある。正統派の層は、政治思想で言えば無党派層に属しており、浮気でそこまで執着はなく、曲が良ければなびく層のような気がする。そうした層にとって買うという行為にいたる価値がないのかな、と。ただ正統派がランキングに入ってきているのを見落としているだけなのかもしれないし、音楽ランキングなんてそこまで興味がないからその可能性は大だ。
まとめ
と、いろいろつらつら書いてみたものの、音楽へのスタイルが変わったかどうかなんて、ダウンロード販売とCD販売の結果をつき合わせてみてみないと分からないというのが本心で、個人的には、ダウンロード販売の敷居が低くなったんだろうなーという期待を持っている。
音楽プレイヤーを持っている人は多いので、音楽そのものへの興味が薄れていることはないだろう。むしろ、多くの音楽に触れるチャンスがあることで、売れる曲が一極化しないで、分散しているのではないか?という考え方もできる。大きな成功というモデルが少なくなって、小さい成功というモデルが多くなってきている前兆と見ることもできる。
通信ネットワークが今までの構造を大きく壊しているんだなーということが感じられれば、まぁ、いいや。
ピンバック: 米ビルボード年間ランキングTOP100における海外アーティストのfeaturing率(1995-2011) | クゥマ.net