デジタルサイネージがWiMAXで活気付いてきた点について

無線LANについて自分が魅力に感じたのは、3Gよりも安価に広域ネットワークを構築できる可能性が、心を躍らせたからだ。3Gの高価な基地局、端末がなくとも、無線LANのホップで上手くいかせることができるようになる素晴らしさに心が躍った。その背景には、携帯電話キャリアの力がなくとも個々の力でネットワークを構築することのできるP2P的な要素に惹かれていたのかもしれない。

無線LANのマルチホップに関して、その利用方法のいくつかに、測定・広告などがある。これらは、どれも3G回線が高価だからという理由が大きく関わる案だ。つまり3Gのような公衆回線が安くなってしまえば意味のない話になってしまうかもしれない。3Gにはできないからという理由の無線LANの利用方法では地下・建物内の位置測定、そして普遍的なインターフェースとしてだ。

屋内的にはそのようなものとして、野外のネットワークの動きに目を向けると、3Gに比べてWiMAXの動きが激しい。

バンテン、モバイルWiMAXを利用したデジタルサイネージサービスを提供開始
凸版印刷、「UQ WiMAX」を利用したデジタルサイネージ端末を開発
NECのデジタルサイネージソリューション

これらのニュースが伝えている通り、デジタルサイネージ、つまりデジタル技術を用いた広告技術を各社が開発している。デジタルサイネージの印象としては薄型ディスプレイと広域無線ネットワークの融合であり、時間・顧客の年代、趣向・地域にあわせて広告を変えていくことが可能になる。インターネット上の広告が地上に出てきたような印象である。もう1歩進めていくと、歩いている人のBluetoothのMACアドレス、無線LANのMACアドレスから、趣向などのデータを集計、各地域のどの場所を歩いているのかの特性判断を行い、あわせた広告を出すことも可能だ。現実の世界とネットの世界の個人情報の紐付けの部分も場合によっては可能になるだろう。

このようなサービスを展開するにあたり、以前は公衆無線LANからマルチホップすることが妥当だと考えていたが、イーモバイルの3.5G、UQ WiMAXの出現によって、置き換わるだろうと予想していた。どの段階かは読めていなかったが、イーモバイルのときよりもUQ WiMAXのときの方がデジタルサイネージが盛り上がっている感がある。

wikipediaを参照するとデジタルサイネージの特徴は以下の通りだ。

  • 顧客に合わせた広告(ネットワーク)
  • 通信ネットワークを使ってリアルタイムな操作(ネットワーク)
  • 印刷物の取替えの手間がかからない(ディスプレイ)
  • 動画が表示できるために、視聴者の注目度が高まる(ディスプレイ)
  • 複数の広告主に対して、広告表示枠を秒単位で切り売り出来る(ネットワーク)

分類すると、ディスプレイ(と周辺機器)とネットワークによる広告の革新がテーマであるように思える。ネットワークが存在しなくてもデジタル化することで広告物の入れ替えや動画の表示には対応できる。今回のサイネージでは、ネットワークを利用することによる顧客に合わせた広告・リアルタイム性・広告の切り売りがテーマになってきそうだ。

それを踏まえたうえで各社のサービスで何を重視しているのかを見る。

凸版印刷は、小型・FeliCaリーダライタによるクーポン・タッチパネルがポイントで技術を押し出している感がある。バンテンはHSDPA時代から行っている信頼・巨大スクリーンへの対応などで細かい運用の便利さを押し出している感がある。NECは、NGN・HSDPA・WiMAX全てに手を出している点を長所とし、場所を問わずに最適なネットワークを利用できる点と、特に広告では分かりにくい評価測定にスポットを当てている感がある。ここまで見たところ、各社の強みを生かしたサイネージサービスとしては間違っていない。サイネージに適したものを有する企業が残っていくだろう。

まとめとして、街でデジタルサイネージを見かけたら、「メーカー」「通信方式(有線・無線・NGN・LTE・WiMAX・無線LANかどうか)」「複数の広告主がついているかどうか」「どの程度の画面サイズか」「動画広告は効果的かどうか」「評価測定はどのように行っているか」「時間・場所・顧客層に合わせた広告が行えているかどうか」「広告に興味を持って足を止めている人がいるかどうか」などに着目すると今後の勉強になりそうだ。

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