カービィを開発したHAL研究所を破綻させたデススパイラル

任天堂の岩田社長の過去の講演記録を読むと、特にデススパイラルのことが印象に残る。最近3月の末にもデススパイラルのことについて言及されたようだ。

【GDC 2009】岩田聡・任天堂社長が3年ぶりGDCのキーノートに立つ―詳しくお届けします!  – iNSIDE

岩田氏はまず、HAL研究所を破綻させたゲーム開発における「デススパイラル」について述べました。すなわち「資金的なプレッシャー」→「少ない開発期間」→「貧弱な品質」→「販売不振」というものです。任天堂が良いゲームを作れるのは資金的に余裕があるからで、資金的に余裕があるのは良いゲームを沢山売ることができるからだと岩田氏は言います、これが正のスパイラルです。では「デススパイラル」に陥らないためにはどうしたらいいか? 宮本氏の手法が参考になると岩田氏は言います。

岩田氏の定義するデススパイラルは記事中では以下のようになっている。

  • 資金的なプレッシャー
  • 少ない開発期間
  • 貧弱な品質
  • 販売不振

資金がなければ人を雇うことなどが出来ず、時間あたりのパフォーマンスを稼げない。開発期間が短ければ少ないパフォーマンスで満足できる完成度にできない。満足できない完成度では売れない。売れなければ資金がないので、人を雇うことが出来ない…それがデススパイラルだ。

個人的にこのデススパイラルに陥った場合、どのようにして解決するだろうか思考実験を行っている。

自分の考えとしては、何処かが犠牲にならなければ難しいと思っている。例えば資金が少ないことを解決するためには、1人あたりの給料を減らすことが考えられる。投資や融資を受けることは当たる作品を作れなければ難しい。何かが犠牲になって「低予算」で「短時間」で「高い品質」で「ミリオンセラー」を当てなければ資金援助は期待できないのではないか。

そう考えていたら記事中に宮本氏によるヒントが掲載されていた。

・アイデアはどこにでもある
・個人的な(限られた)コミュニケーション
・プロトタイプステージ
・小規模チーム
・複数のプロジェクト
・トライアル&エラー
・本制作ステージ

小規模な実験的なチームには大いに賛同できる。スモールスタートによるコンセプト決定は重要だ。重要だが難しい。始めは散弾銃で、最後はスナイパーライフルで仕留めるような流れだ。

この宮本氏のヒントについては、まだ咀嚼しきれていないので、後で考えようと思う。

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