個人的に、ネットワークは常時接続したのにそれを使い切るアプリケーション(応用)がないと嘆いており、活用法のアイディアは何かないだろうか考えているのだが、その1つがミニディスプレイであったりフォトフレームであったりする。
特にフォトフレームは無線LAN対応のものがあり、様々なことが出来そうなのだが、そういった製品が出てこない。例えば、ホストPC側でyoutubeのアドレスを指定することでフォトフレームで動画を再生できるものがない。そもそも、フォトフレームで動画を再生するという発想すらない。コストの問題だろうか。テレビがなくても”youtubeがあるから大丈夫”族がはびこる世の中として需要はあると考えているのだが…
そんなこんなで、フォトフレームは静止画を表示するに限る機能性なのだが、斜め上の機能拡張でケータイカメラとの連動を視野に入れた製品がソフトバンクから6月頃に登場していた(通信モジュール搭載デジタルフォトフレーム登場, ソフトバンクモバイル デジタルフォトフレーム)。
このフォトフレームの人気についてだが、ドコモ4位の背景は“契約切れ”の争奪戦によると、
しかしソフトバンクは8月に1位を奪い返す。その立役者は,「普通の携帯電話以外の需要を増やす意図で投入した」(ソフトバンクモバイル マーケティング本部 マーケティング・インテリジェンス統括部マーケティング戦略部 池田昌人部長)という製品だ。それが携帯電話から送ったメールを受信して,添付された写真データを表示できるデジタル・フォトフレームである。
フォトフレームの利用料金は月額980円だが,6月からは490円に値引きするキャンペーンを実施した。さらに,多くの店舗では,携帯電話の購入者に特典として実売約1万9000円のフォトフレームを無料配布した。フォトフレームの契約は「通信モジュール」の項目でTCAの純増数にカウントされる。ソフトバンクの同項目を見ると,6月に1万2000だったものが7月は3万1200,8月は4万8200と伸びている。この数値の大半はフォトフレームとみられる。
と述べられている。つまり、デジタルフォトフレームの投入キャンペーンによって、1万2000から4万8200に伸びている。このデジタルフォトフレームの最大のポイントは記事中に述べられている「実家の両親へのプレゼントにどうですか」だ。これは用途を推奨するマーケティングとしてかなり強い。
例えばこうだ。携帯電話には写真を撮れる機能があるが、ほとんど使わない。しかし、子供が生まれた家庭の場合、どうか。我が子の写真を保存したいという要求があるだろう。そうした家族は核家族であり、写真を実家に送ることを考えることが多いが、父母もしくは祖父祖母のリテラシーを鑑みるとそう簡単なことではない。目は悪くなっているし、携帯電話の操作に不慣れかもしれない。携帯電話の画面では満足できないかもしれない。そうしたときに、フォトフレームはいかがですか?と言えるわけだ。
まさにそうした用途に限定した仕様となっている。9インチの画面は携帯電話の画面より大きく見やすい(はずだ)。初期設定不要の簡単操作で、メールで送られてきた写真を自動で再生することができるため、リテラシーがなくとも利用することができる。つまり、正月や盆に実家に帰ったときにフォトフレームをセットしておけば、メールのみの簡単操作で写真を贈ることが出来るのだ。送られた側は何もせずとも、勝手に写真が増えていくのだから、楽しみもある。そうした用途としてデジタルフォトフレームは優秀だ。さらに写真メールのトラフィックも増えることから、ソフトバンクモバイルは定額料契約を増やすことを考えられる。
このことを畏怖してか今月24日にはドコモ、フォトフレーム端末でソフトバンク追撃 契約数押し上げ狙うという記事が入ってきた。
価格は端末が約2万円で、通信料金は来年4月まで月額980円。5月以降は、利用頻度により料金が上がり、最大9765円で使い放題になる。ただ「1日1枚の送信程度なら、月額1000円程度で済む」(広報)という。
自身の携帯代にはお金を払わないが、孫の写真のためならいくらでも払う。この戦略は正しい。月額1000円程度で済むのであれば、むしろ安いと感じるだろう。
ドコモは通信料金はソフトバンクより割高だが、デジタルカメラで撮影した高画質写真などをパソコンからも受信できる点などをアピールして、年末に帰省する利用者に“おみやげ”として販促したい考えだ。
この点はソフトバンクよりも高機能だが、用途としてはブレている。
このフォトフレームは宣伝すればするほど売れるものなので、正しいチャネルを用いた宣伝をすればバカ売れするのではないか、と個人的には考えている。
KDDIはフォトフレームに関しては検証中
通信対応デジタルフォトフレーム「PiN+」のモニター募集のようだ。モニター検証の成果はいかほどだろう。