モデルチェンジというビジネスモデルについて考える

GMという言葉が話題にのぼることが多い。GMの作り出した有名な特徴として、「モデルチェンジ」が報道されている。以降、ほとんどの一般向け乗用車でモデルチェンジという手法が行われている。

よくよく考えてみれば、このようなモデルチェンジという考えは車に限ったものではない。例えば「夏モデル」などという言葉が存在するというな製品はモデルチェンジの手法を用いている。パソコン業界、携帯電話業界などだ。パソコン業界では”型落ち”という言葉があるが、モデルチェンジによるものだろう。

モデルチェンジとは何か。意図的に、定期的に、流行おくれを作り出すことだ。その流行おくれを作る手法は主に製品の性能を向上させたり、設計を見直して新機能をつけたりになる。このようなモデルチェンジの形を見ていると、ファッション業界が思いつく。

ファッション業界では、意図的に流行を作り出すことに長けている。どうもあの流行は自然発生的なものではないらしい。ファッションでは”流行おくれ”という言葉が存在し、確かに古臭いものがある。しかしながら流行は一巡して、昔のファッションがむしろ新しいという話にもなる。ファッションの世界では、性能や新機能などなく、グラフィカルなデザインの世界で一巡させているので、それはなかなか困難なものだと思うがよくやっている。

ファッションの世界では4季によって買い替え需要が発生するようになっているが、これがモデルチェンジが4季で行われることにつながっているのではなかろうか。そんなファッション業界をみならってか、パソコンや携帯電話などの他の製品のモデルチェンジであっても、性能・機能以外にも外装デザイン変更が行われることが多い。デザインの点でも陳腐化を狙うことがモデルチェンジのコツなのだろう。

しかしながら、デザインのモデルチェンジをあえて控えめにしている製品も存在する。たとえばパナソニックのレッツノートがその1つだ。レッツノートはビジネスユースを中心に考えた設計を行っており、当然のことだがモデルチェンジも行っている。しかしビジネスの現場でモデルチェンジされた製品が配布された場合、上司よりも部下の方が高性能な製品を利用していることが多々あるとされている。上司にもよるが、それは不快感を生む場合がある。そこで、デザインを同一系統のものにすることとした。そうすることで、モデルチェンジ前後のデザインの差をなくし、一見して製品が異なることが分からないようになる。つまりあえて陳腐化させていない。このようにモデルチェンジの際には、ユースによっては前回のモデルを陳腐化させない工夫もあり、何をモデルチェンジの本質とするのか迷う。

話を戻すと、モデルチェンジのサイクルを作り出すことに成功すると、定期的に陳腐化を行うことができるので収入が定期的に入る。また古くなった製品を無価値化させることによって、常に付加価値の大きい製品を売ることができる。逆に顧客側の視点としては、時代の最新であるというプレミアム価格、付加価値に価値を感じないのであれば、モデルチェンジ前の型落ちモデルを購入対象とするべきだ。

これに関連深いビジネスモデルとしてアップグレードサービスというものがある。このアップグレードは、ソフトウェアに特徴的なもので、ソフトウェア製品の進化に対して対価を支払うという形式のものだ。このソフトウェアの改善も定期的に行われれば、モデルチェンジという言葉を使ってもよいのかもしれない。

これらの背景を元に、夏モデルという言葉を聞いたときに、その製品のモデルチェンジについて考えるようにしている。

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