動画コミュニティの現在

Itmediaにてひろゆき氏、「ニコニコ」ヒットでも「動画は“来て”ない」 という記事が掲載されている。

その中のひろゆき氏のコメントがもっとも現実感がある。

「来る来ないの話で言うと、来ないというのが現実」

というのが結論らしい。

「動画はトラフィックがやたらと大きくなってしまい、回線コストがかかるのでなかなか規模が広げられない。YouTubeのトラフィックコストは月間2億円、年間だと数十億円になると聞くが、年間の利益は1億5000万円程度。それでビジネスが成立するかというと難しいのでは」

やはり動画のトラフィックの大きさが問題か。Toutubeのトラフィックコストの問題を挙げ、ビジネス的に問題があることを指摘している。

「無料の広告モデルも厳しい。テキストサイトなら1ページあたりせいぜい100Kバイトくらいだろうが、動画サイトだと100Mバイト・1000倍にもなる。だからといって動画サイトにテキストの1000倍の広告料金を払ってくれるかというと、そうではない。この問題を解決するくらいなら、TSUTAYA にでも行ってビデオを借りた方がいいんじゃないか」

テキストに対して1000倍の容量を必要とする動画に対して広告料金として1000倍払うかといえばNO。

「モバイル版はよく使われていて、需要があることは分かったが、パケット代はドコモに落ちていてニコニコ動画には1円も入ってきていない。パケット代を払った上で、動画にもお金を払うというユーザーは限られていて、市場はかなり狭いのでは」

モバイルなら収益があるのかという問いに対しても「パケット代を払った上で、動画にもお金を払うというユーザーは限られてい」るという認識である。この認識に対してはmixiの件からも疑問があるが、ひろゆき氏自体はそれ以上ユーザーに負担をかけたくないと考えているのだろうか。

また著作権の話題についても、

「コミケで出しているうちにうまくなり、出版社から本を出したというケースがままある。出版社はコミケを敵に回して、新しい作家が入らなくなるのが嫌なだけ。大丈夫と思っていても、同人誌作者が突然捕まることもあり、バランスを取っているわけではない。人のつながりを軸にした共存関係がある」

とし、

「ニコニコで面白い番組を作る人が、普通のテレビ番組や映画を作る、というつながりができれば、その方が日本的だろう」

と言っているらしい。このライン、普通には繋がるとは考えにくい。だから同人誌と同じような仕組みでコンテンツは生まれないという意見である。

「著作権は親告罪。権利者に嫌と言われないと嫌かどうか分からない。例えばニコニコ動画で人気となり、DVD化された『陰陽師』は、権利者側がニコニコ動画上で見つけて声をかけてくれ、ビジネス化につながった」

として、権利者が利益があるかないか、見定めているとしている。

「Webプログラミングは、銀行のシステムなどでない限り、1人で作った方が早い。ニコニコ動画のプロトタイプは、プログラマー1人が1週間で作った。他の人が作ったモジュールを組み合わせてプログラミングできる環境が整ってきている。ソーシャルブックマークサービスを15分で作る様子の動画も見たことがある」

という貴重な意見も。

動画サービスの問題点は1000倍近くのコスト。よって「ニコニコ動画(γ)」の配信インフラにクラビットのCDN採用のようなアプローチを試している。

P2Pを活用して配信コストを大幅に下げるJoostのような仕組みが今後の動画業界の行く末を決める。Bittorrentのような仕組みを活用してもいい。3年前にPeercastについて語り合ってた、あの時期に手を打ってていれば、今頃楽しかったのかもしれない。

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